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【開催報告】日本臨床歯科学会 第8回SJCD40周年記念学術大会・総会、SJCDナイトパーティー

2023年度日本臨床歯科学会第8回学術大会

(40周年記念学術大会)

国際歯科大会

2023年9月29日(金)~10月1日(日)、第9回日本国際歯科大会2023がパシフィコ横浜にて開催された。その中で29日(金)午前にクインテッセンス出版の協力のもと、日本臨床歯科学会 第8回学術大会(40周年記念学術大会)が会議センター1Aホール(メインホール)にて行われた。この学術大会を皮切りにこの三日間で我が日本臨床歯科学会所属の歯科医師、歯科衛生士、歯科技工士等の多くが登壇した。30日(土)には国内外の関係者を集め、約500人を超える参加があったSJCD NIGHT PARTYが開催された。

研究発表

「下顎側方偏位をともなう患者の偏位側における関節円板転移と

咬合平面の傾きに関する横断的検討」

 六本木カマエデンタルオフィス  構 義徳先生

正貌頭部規格写真の撮影と顎関節部MRI撮影による検査で下顎側方偏位と関節円板転移、咬合平面の傾きに関して調べられた。下顎側方偏位症例では咬合平面と下顎下縁平面にずれが生じていた。関節円板転位が81.7%に認められ、また偏位側に35%非偏位側に25%で変形性顎関節症が認められた。その結果左右の咬筋のバランスと咬合平面の傾斜の是正を行った方が良いと示された。臨床医が気になる点に関して緻密にデータを採取された。

研究発表

「閉塞性睡眠時無呼吸症候群患者の初診時舌位と口腔内装置の治療効果に関する後ろ向き調査研究」

 パークサイドデンタルオフィス  吉田 茂治先生 

睡眠時ポリソムノグラフィーにより緻密にデータをとり評価された。LFHはOA治療の治療効果予測因子になる一方でOA治療術前の舌位評価で用いられたT-PLに関してOA療法の治療効果予測因子としては使用できないことが示唆された。またOSA患者では歯列弓の形態におけるサイズと形状の違いが病因因子として考えられる。評価に関して、非常に素晴らしいと質問もあり、今後さらなる臨床的研究が望まれる分野である。

研究発表

「歯周骨内欠損における手術用顕微鏡とEr:YAGレーザーを併用した低侵襲非外科的治療(MINST)の臨床的評価」

 Bivi歯科クリニック  武川 泰久先生 

従来非外科的歯周治療の適応は4ミリ以下、外科的歯周治療の適応は5もしくは6ミリ以上とされてきた。本研究で用いられたMINSTは非外科的治療でありながら、歯根形態や部位を問わずPPDが5~6ミリを超える歯周炎に対して有効で、特に4ミリ以下の広くて浅い垂直性骨欠損、8ミリから10ミリのPPDに対して顕著な治療効果であったと示された。顕微鏡とレーザーを使用した患者さん主導の非外科的低侵襲治療は日常臨床においてすぐに応用できるものであった。

臨床研究

「Changes in the bacterial amount of Porphyromonas gingivitis in the natural teeth and peri-implant gingival pockets before and after dental implants treatment」

 さいとう歯科医院 齋藤誠先生

チェアーサイドでできる細菌検査キット『orcoa』を用いて、インプラント補綴前、

補綴後でのP.G菌の細菌量についての研究を

発表された。良好なメンテナンスを行なっていれば、補綴前と補綴後6ヶ月後ではP.G菌の有差は無かった。そして、P.G菌の増殖速度が天然歯歯肉溝内とインプラント周囲溝内では異なる事を報告した。

この研究結果により、メンテナンス時に細菌検査を行うことで、効果的なフォローアップができる事を実証された。

臨床講演

「前歯部叢生を伴う軽度骨格Ⅲ級患者に対して包括的治療を行なった一症例」 

 NAKANO DENTAL 中野忠彦先生

包括的歯科治療となる本症例は、M.Iのコンセプトのもと、治療期間に制約がある中で、矯正と補綴を用いて咬合高径、咬合平面を再構築した症例を示された。矯正治療を行う事で歯質削除量を最小限にし、マテリアルの選択にも咬耗、酸蝕、摩耗に対しての最も強い二ケイ酸リチウムを用い、歯肉退縮には歯周外科を用いた。この症例発表は、矯正科医との念密な協議し、再評価もされ、中野先生の診査診断治療計画の緻密さが十二分に発揮されていた。この演題は総会で唯一の症例発表とあって多くのディスカッションが行われた。

臨床講演

「ポンティックの基底面と欠損部歯槽堤と接触関係による分類」 

鈴木歯科医院 鈴木真名先生

従来Brの基底面の形態と欠損部歯槽堤と接触関係によりそれぞれリッジラップ、モディファイドリッジラップ、オベード、モディファイドオベードと分類され、どのタイプが一番優れているかを調べられた。

それを前提として、さらに前処置をするしないにより分類された。前処置を行わなず形態に合わせたものをNaturally fit type、軟組織に加圧接触するものをPressured gingival type、全処置を行い積極的に軟組織を形成し、エマージェンスプロファイルを天然歯に近づけたものをModified ginginval typeと分類された。

教育講演

「臼歯部べニアのプレパレーションデザインの考え方と分類」 

 代官山アドレス歯科クリニック 大河雅之先生 

臼歯部ベニアにおいての様々な先生方が行われた実験や自身の研究からプレパレーションデザインを纏められた。セラミックの修復物の最小厚みは0.7mm~1.0mmとし、0.7mm以下の場合はハイブリッド系もしくはポリマー系を選択すること、接着面はエナメル質接着とし、象牙質が露出した場合はIDSを行う。接着エナメル質は選択的に、象牙質はセルフエッチングを行う。歯質削除量はできるだけ少なくする。形成デザインはできるだけ単純にする形態とすること。修復物辺縁はエナメルカラーとするといったルールのもと臼歯部のプレパーレーションデザインを分類された。

複雑な矯正 – 補綴の連携治療

「補綴治療の新たなるパラダイム・シフト」

  山﨑長郎 先生

矯正治療と補綴治療に於けるインターディシプリナリーマネジメントということで、治療の目的・ゴールを明確にし、治療順序を組み立て、治療中は歯肉やレントゲンでの再評価を行いながら補綴医と矯正医がそれぞれ連携することが重要であると述べられた。特に今回は矯正治療を含むインターディシプリナリーアプローチが必要なケースにフォーカスを当てて山﨑先生のこれまでの臨床で培われた、20年以上経過した長期経過症例を供覧された。圧巻の講演であった。

「修復治療における複雑な症例に対する矯正歯科治療連携の実際」

 土屋賢司 先生

複雑な症例に対する矯正歯科と修復治療の連携において、補綴医が最低限把握しておくべき機能的なセファロ分析の評価項目として「咬合高径」、「咬合平面」、「咬合弯曲」があることを示された。そしてその評価を行いながら治療を進めた症例の実際の治療手順と経過、予後を供覧された。複雑な補綴治療においてエアウェイを含めた骨格的な分析と習癖などを考慮した顎運動分析を行うことが重要であると結論付けた。症例の疑問点をRichard D. Roblee先生に投げかけ、セッションの最後でディスカッションされており大変興味深い講演であった

臨床講演

「The next generation of interdisciplinary dentofacial therapy(IDT):Digitally empowered with an airway focus」 

Richard D. Roblee University of the Pacific USA

35年以上の進化を遂げてきている口腔顔面治療(IDT)は適切な診断のためにインターディスプリナリーアプローチを利用し、顔貌をはじめとする種々の問題に対して最も適した治療を選択していることを示した。

また、その治療の適齢期は比較的に成長途中にある幼児期や小児期にあることを示された。

新しいオプションとしてはデジタルスマイルデザイン(DSD)デジタルデンティストリー、気道に焦点を当てた睡眠時無呼吸症候群の診断、アライナー治療、口蓋への急速拡大、外科矯正治療がありそれらのオプションを用いて様々なケースへの治療結果を示された。

最後に山﨑長郎先生の座長のもと土屋賢司先生が症例をRoblee先生に相談され、どのように治療を進めていくかなどのディスカッションを行いSJCDセッションを締め括られた。

日本臨床歯科学会 40th anniversary NIGHT PARTY 202

930日のセッション終了後、横浜ベイホテル東急クイーンズボールルームにて日本臨床歯科学会40周年記念パーティー(SJCD NIGHT)が開催された。海外からの招待演者であるRichard D. Roblee先生、Markus B. Blatz先生、Stefen Koubi先生など数多くの先生にご参加頂いた。また日本補綴歯科学会 理事長 窪木拓男先生、クインテッセンス出版 北峯代表取締役、ドイツクインテッセンス H.W.Haase代表取締役にご参加頂いた。全体として参加者は500名を超え、大盛会となった。

司会の天川先生、中野先生の進行の下、山﨑長郎 理事長のご挨拶から開会された。日本臨床歯科学会 雑誌編集委員会 委員長 大河雅之先生から学会誌の説明と海外演者の先生への贈呈が行われ、芸者やDJによる余興、Dance timeもあり終始大盛り上がりであった。本多正明 副理事長の閉会のご挨拶で締めて頂き、参加者の深く思い出に残る濃密な2時間となった。

-あとがき-

日本臨床歯科学会 第8回学術大会(40周年記念学術大会)をパシフィコ横浜にて第9回国際歯科大会2023と併催できた事が大変素晴らしかった。5年ぶりのこの日本国際歯科大会にWorld Young Dental Innovators’ Meeting 2023(気鋭若手臨床家によるプレゼンテーション)を併載しており、多くのSJCDの演者が登壇し、また海外演者とのコラボレーションを果たした。次回は、2027年開催では更なる盛り上がりを期待する。

文責:日本臨床歯科学会 東京支部 広報委員会

遠藤元気 小川大輔 平澤正洋 望月力 山口宜伸

 日本臨床歯科学会 東京支部 広報委員

 


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