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【開催報告】日本臨床歯科学会 東京支部 第1回例会

202364()10:00より御茶ノ水ソラシティにて2023年度日本臨床歯科学会東京支部第1回例会が開催された。今回、新型コロナウイルス感染症の位置付けが5類となりハイブリット方式(現地開催+zoom ウェビナー)にて、山﨑治先生の司会で東京支部副支部長の西山英史先生の開会の挨拶で幕を開けた。

今回は『Prosthetic Treatment Considering Airway』と言うテーマで、チェアマンは日本臨床歯科学会理事長である山﨑長郎先生に務めて頂き、睡眠歯科治療に精通されている3名の先生と共に講演された。

 

 

教育講演1

「歯科臨床における口腔内装置を利用した閉塞性睡眠時無呼吸治療概論」

DENTISTRY TOKYO SINCE 1925 MIYACHI SHIKA 宮地舞 先生

講演は睡眠障害(SRBD)や閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSA)とは何かという基本的なところから、OSAの病因やリスク因子,有病率,重症度分類などわかりやすく解説頂いた。その後CPAPや口腔内装置(OA)の治療の選択肢や選択基準を説明頂いた。実際の症例を交えながらOSAの診査診断から治療,再評価の流れを示された。一般臨床医にもわかりやすい内容で、具体的に睡眠障害や睡眠時無呼吸症候群の概要から診査の方法、治療から術後評価の流れについて解説された。質疑応答も活発に行われ、これからの歯科業界のトピックになる内容で非常に勉強になる講演であった。

 

教育講演2

「Life-saving Dentistryー 気道中心の歯科医療 ー」

メルサ飯田歯科 飯田啓介 先生

飯田先生はアメリカのフランクスピアー先生に師事し現在閉塞性睡眠時無呼吸症候群を有する患者に対する補綴治療をスピアーエデュケーションにて提唱しているシアトルプロトコールに則り行っていると話された。プロトコールは1.鼻呼吸療法2.下顎スプリント3.前方整位スプリント4.咬合挙上スプリント5.咬合挙上・前方位スプリントに分類されていた。症例の重症度に応じて治療法を段階的に選択を示された。実際の症例を多数提示し、症例の重症度に応じた治療法の選択、治療経過、術後評価を解説し、今後日常臨床で治療を行う上で参考となる貴重なデータを供覧された。

 

臨床講演

「Considerations about solutions in Airway Prosthodontics」 

パークサイドデンタルオフィス 吉田茂治先生

米国で提唱されるAirway Prosthodonticsのコンセプトに則り、我々歯科医師がOSAの対症療法としてのOA製作のみならず、補綴治療や矯正治療、外科処置により上気道の解剖学的形態的要素を改変することや、耳鼻咽喉科等医科とのインターディシプリナリーアプルローチによって個別化治療を行う可能性を言及された。その後実際の臨床症例を提示し、従来の咬合再構成に加え、Airway の診査・診断を踏まえ、OAの効果を減弱させない補綴治療のポイントを解説した。

 

教育講演

「Prosthetic Treatment Considering Airway 」 

日本臨床歯科学会 理事長 ・ 原宿デンタルオフィス

山崎長郎 先生 

これまでの歯科界のコンセプト(咬合・歯周病・インプラント・審美・デジタル)の変遷、そして近年様々な社会的問題を引き起こしている睡眠障害へのAirway Dentistryによる総合的なアプローチを示された。歯科界の過去・現在・そして未来を、常に第一線で携わってきた演者の症例と共に解説された。講演は時折観覧席から笑いが起こる場面もあり、非常に穏やかな雰囲気で、今後の本学会のAirway Dentistryに対する取り組みの必要性を認識できるものであった。

 

ディスカッション

最後にディスカッションが行われた。限られた時間の中ではあったが、OA製作時の注意点、OA使用が歯列咬合に与える変化、咬合再構成を行う際の顎位の位置、補綴的配慮についての臨床的で具体的な質問に対して、グローバルな知見から返答され、白熱したディスカッションとなった。

 

アワード

2022年度のSJCDアワード、平林賞の発表があった。2022年度SJCDアワードは林丈裕先生、平林賞は杉山達也先生が受賞された。

 

閉会のご挨拶

最後に閉会の挨拶として、山崎治先生より挨拶があり、コロナ後初めてとなる現地参集の2023年度第1回例会は盛会にて幕を閉じた。

文責:日本臨床歯科学会東京支部広報委員会

遠藤元気 杉山達也 平澤正洋  .山口宜伸

 


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