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【開催報告】2024年度 日本臨床歯科学会東京支部 第3回例回

2025年3月2日(日)第3回例会が赤坂インターシティコンファレンス The AIRにて開催。今回もスタートから満席と大盛況であった。

はじめに副支部長の北原信也先生による挨拶からスタートした。今年度最後の例会となり、そして60歳以上理事メンバーはプレミアム会員となるため、北原信也先生も副支部長としての最後の挨拶となった。大河雅之先生も支部長最後の仕事となるチェアマンの挨拶をし、午前の教育講演がスタートした。なお、司会進行は、長谷川幸生先生が行った。

【教育講演】

岩田淳 先生岩田歯科医院

「補綴修復治療におけるデジタル技術の活用法」

世界でもご活躍されている岩田先生の写真やスライドはとても綺麗で圧倒される内容であった。

デジタル技術は目覚ましい発展を遂げているが、依然卓越した歯科技工士が作製した補綴装置と比較すると審美性、精度、形態再現性などは改良の余地があり、それらを考慮した上でデジタルとアナログの適応範囲を決定する必要があることを説明された。今後はIOSの精度の向上、さらなるトリゴンの縮小化、レジン、ガラスセラミックやジルコニアなどの材料のDプリンティングの技術の向上がデジタルデンティストリー向上につながることをお話しされた。

【教育講演】

吉田茂治 先生(パークサイドデンタルオフィス)

「気道に配慮した歯科治療についての考察」

気道に配慮した歯科治療において、ケースを通して非常にわかりやすく解説された。

後方に押し込まれない下顎位を是正して不必要な咬合挙上は避け舌房を妨げない歯列を構築すること、そのためにはケースプレゼンでもあったような単なる歯列拡大だけでなく歯槽骨の拡大が非常に重要であるとお話された。しかしながら歯科だけでなく鼻が通らない患者には耳鼻咽喉科との連携を取れるようにしておく事も大切であるとお話しいただいた。またインターディシプリナリーアプローチを確立するため情報と治療のゴールを共有し、マキシロフェイシャルな補綴修復治療を成功させるためには、デジタルの積極的な活用は不可欠であるとまとめられた。

 

【教育講演】

山﨑長郎 先生 (原宿デンタルオフィス)

「修復治療の現在と未来形とは」

歯科治療のコンセプトの時流変化を解説された。1970年~は咬合学におけるナソロジー、1980年~は歯周補綴治療、1990年~はインプラント治療、2000年~は審美歯科治療、2010年~はデジタル歯科治療、そして2020年~は睡眠歯科治療であると語られた。2000年代から始まった審美歯科修復治療ではマイクロスコープとピエゾを利用した支台歯形成の重要性について触れられ、最新の支台歯形成のコンセプトであるMorphological Tooth Augmentation ProcedureMTAP)の詳細について文献と実際の症例を交えて解説された。まさに歯科界の過去・現在・そして未来を常に第一線で携わってきた演者の卓越した長期症例と共に解説され、圧巻の講演であった。

 

【教育講演】

大河雅之 先生 (代官山アドレス歯科クリニック)

「デジタル時代におけるベニア支台歯形成デザインの考え方」

 ラミネートベニア修復治療において「Digital Impressionがベニアのプレパレーションデザインにどのような変化をもたらしたのか?」、「CADCAMによるベニア修復治療の実際」について解説された。CADソフトウェアによる設計を利用しながら形成面やマージン部分の微細な修正を行うことでセラミック内面と支台歯形成面の適合を向上させることが出来ることを示された。そして適正な隣接面のスペースについて文献や研究結果と共に解説された。また形成デザインについてはClass17の分類と支台歯形成の成功のための3つのキーポイントを示し、実際の形成動画や症例と共にわかりやすく解説された。ベニア修復の世界的な権威であられる演者による最新のデータを交えた最先端の講演であった。

最後に閉会の挨拶として2025年度より新しく東京支部会長を務められる西山英史先生よりご挨拶があり、現会長の大河雅之先生と副会長の北原信也先生にお祝いの花束が贈呈され、2024年度第3回例会は大盛況のうちに幕を閉じた。直後に行われた懇親会も多いに盛り上がった。

賛助会員(31)

デンツプライシロナ株式会社

クラレノリタケデンタル

コアフロント株式会社

相田化学工業株式会社

株式会社フォレスト・ワン

ストローマン・ジャパン株式会社

ノーベル・バイオケア・ジャパン株式会社

株式会社メディカルネット

ソルベンタム合同会社

インビザライン・ジャパン株式会社

株式会社GENOVA

ペントロン・ジャパン株式会社

カボプランメカジャパン株式会社

株式会社モリタ

Ivoclar Vivadent株式会社

白水貿易株式会社

株式会社World-CleanAir(ProtectONE)

東京歯科産業株式会社

株式会社ジーシー

株式会社SCOグループ

株式会社アルタデント

アサヒプリテック株式会社

科研製薬株式会社

株式会社 松風

クインテッセンス出版株式会社

カールツァイスメディテック株式会社 

ガイストリッヒファーマジャパン

ケンテック株式会社

クラシコ株式会社

株式会社ヨシダ

帝人メディカルテクノロジー株式会社

平素より賛助のご協力ありがとうございます。

(あとがき)

本年度をもって退任される大河会長、北原副会長、西山副会長、そして60歳以上の執行部の皆様には、長年にわたるご尽力とご貢献に心より感謝申し上げます。皆様の卓越した指導のもと、本学会は数々の成果を挙げるとともに、新たな可能性へ挑む礎を築くことができました。その深い洞察力と揺るぎない情熱に、あらためて敬意を表します。
また、西山新会長を始め新執行部の皆様には、これまでの伝統を大切にしつつ、さらなる飛躍を遂げる未来を切り拓いていただけること、これまで以上に充実した活動となることを、多くの会員の皆様と共に願ってやみません。
これからの学会の発展を心より祈念し、今年度の東京支部活動報告の結びの挨拶とさせていただきます。(広報委員会一同)

文責:平澤正洋、植原亮、小川大輔、中野忠彦、高島浩二


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