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【開催報告】2024年度 第1回ステップアップミーティング

 

〜〜開催報告〜〜

2024年度日本臨床歯科学会東京支部第1回ステップアップミーティング開催報告

202491日に第1回ステップアップミーティングが開催された。台風10号の影響により開催が危惧されたが、当日の東京は嘘のように穏やかな天気であった。しかしながら、演者の中川先生は新幹線が運休のため残念ながら次回以降に講演が延期となってしまった。

今回のステップアップミーティングでは100名を超す参加者を迎え、加部先生による支台歯形成の講演や、初の試みである対話型ディスカッション形式の症例発表に対する期待の高さが窺えた。

司会は川手先生。まず東京支部長の大河先生より開会の挨拶がありステップアップミーティングがスタートした。

教育講演

「生物学的支台歯京成の基本」

加部歯科医院  加部聡一先生

支台歯形成は修復治療において重要な手技であることは言うまでもなく、Herbert T.Shillingburg,Jrの5つの項目を述べた上で、支台歯形成の基本的習得事項を6つに分けて詳しく話された。有髄歯支台歯形成の原則、支台歯の理想的形態、デントジンジバルインターフェイス、クラウンマージン、プレパレーションの実際、修復物に応じた形態の違いについてそれぞれ詳しく解説し、若手の先生に対してもとてもわかりやすい充実した内容であった。また講演時間に余裕ができた分、実際のCrやBrの症例を交えて、多くの臨床のポイントを話された。日々の臨床に明日から役立つ素晴らしい講演であった。

一般講演1

山本賢 先生(やまもとデンタルオフィスふじみ野)

前歯部審美修復治療に歯周形成外科を用いた一症例

(座長) 栗原一雄 先生

前歯部審美修復治療に歯周形成外科を用いた一症例と題して全顎的な診査診断の下、主訴である審美性の回復のため前歯部のBrの治療を行った症例を提示していただいた。良好な結果を得るため、顔貌からインサイザルエッジポジションとガムラインを計画し、支台歯とポンティック部の硬組織、軟組織のマネジメントをオペ動画も交えながら講演していただいた。今回対話型ディスカッションという新たな形式で、座長の栗原一雄先生の統括の下「講演を基礎資料の採得から治療計画の立案」、「最終補綴前のプロビジョナルの評価」、「最終補綴」の3部に分け、それぞれディスカッションポイントで会場の意見を交えながら講演を進めていき、補綴学的、矯正学的、歯周病学的のそれぞれの視点から時間ギリギリまで白熱した議論が行われた。

一般講演2

小川大輔 先生(一番町小川歯科クリニック)

咬合の乱れを有する患者へのアプローチを考える

 Approach to patients with disturbance of the occlusal plane

(座長) 中村茂人 先生

咬合平面の乱れをテーマに審美性の改善を主訴にされた患者さんの治療について、咬合分析、セファロ分析、軟組織分析等を用いた全顎的な診査診断を行った上で、インサイザルエッジポジションや咬合平面を決定した。ただ、全顎矯正治療は行えず、部分矯正にてトゥースポジションを改善しながら、補綴にて改善を行った。ディスカッションでは、右側の咬合関係の改善等に対して全顎的な矯正が出来ないのであれば、補綴での改善が必要だったのではとの指摘も見受けられた。症例に対しSJCDフォーマットに則った診査診断治療計画が行われており、素晴らしい発表内容であった。 

 

閉会の挨拶は副支部長の北原先生が挨拶をされステップアップミーティングは閉会した。

その後、待ちに待った懇親会が開催され、参加者は60名と多くの会員が参加をした。

今回演者として登壇した山本先生と小川先生には再度症例に対してざっくばらんに質問を受け付ける時間を設け、お酒も手伝い活発なディスカッションが行われた。また、大河先生の書籍も先行販売され、急遽サイン会も行われるなど、大盛況な懇親会であった。

 

文責:滝沢卓也、望月力、杉山達也、町田真吾、高島浩二(広報委員会)


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