「矯正とインプラントにより咬合再構成を行った一例」大木歯科医院 笠井 啓次先生
患者さんは66歳の女性で多くの歯牙に修復治療の既往を認めました。
アンテリアカップリング、アンテリアガイダンスの欠如、また繰り返し行われる不適切な修復治療により欠損が増加し咬合の崩壊が起きたケースでした。
それに対して矯正治療、インプラント治療を用いて包括的に治療を行ったプレゼンテーションでした。
矯正治療を含めて難しい治療を積極的に行っていく姿勢は素晴らしかったです。
しかし、咬合崩壊、重度歯周病、多くのカリエスを認める場合など特に複雑なケースの治療を行う場合に必ず治療目標、計画をたて、それに向かって治療していくトップダウントリートメントが重要です。今回はその点がおろそかになっていたために治療結果に不安が残りました。また、歯周病が進行した歯牙の矯正治療について炎症のコントロールがまだ完全でない状況で始めてしまっていることなど初期治療の問題も確認できました。
熱意を持って治療をしていらっしゃる先生で、今後素晴らしいところを伸ばし改善点を改善し患者様のために更に精進していただけると思います。
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