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【開催報告】 日本臨床歯科学会 東京支部 2023年度 第1回ステップアップミーティング

2023年度 

日本臨床歯科学会東京支部

第1回 

ステップアップミーティング

2023716()正午より御茶ノ水ソラシティにて2023年度日本臨床歯科学会東京支部の第1回ステップアップミーティングが開催された。今回は、ハイブリッド開催となり現地で会員の参加が可能になった。また賛助会員によるブースが設営され、平常を取り戻すような雰囲気を感じ取ることができた。川手良祐先生の司会でスタートされ、東京支部支部長である大河先生の挨拶から始まった。9月の国際歯科大会やSJCDナイトでは著名な先生方も参加する事などお話し頂いた。

一般講演1

「臼歯部欠損・歯列不正を有する患者に対し

                 部分床義歯を用いて咬合再構成を行なった症例 」

下北沢西口歯科クリニック 平澤正洋 先生

 下顎両側臼歯部欠損を放置し咬合崩壊の初期段階にある患者に対しクラウンと部分床義歯を用いて補綴的に咬合再構成を行なった症例発表された。

 Cummerの分類、宮地の咬合三角、アイヒナーの分類を参考に診断し補綴設計は、咬合平面の是正、及び審美的改善のため上顎は全顎的にクラウンにて補綴をされた。その際、支台歯とプロビジョナルクラウンをデジタル上で重ね合わせることで天然歯の形成量を最小限に抑える工夫をされていた。デンチャーは維持、支持、把持を考慮することで、垂直的な咬合支持を確立された。前歯部の審美改善にフルクラウンとベニアの選択基準やデンチャーの設計について担当技工士の平島真悟氏(she DENTAL PLANNING)を交えてディスカッションがなされた。治療の制限がある中で、患者に寄り添い審美的、機能的に改善されたケースであった。

一般講演2

 「上顎臼歯部欠損にインプラントを用いて咬合再構成を行なった症例」

 山口よしのぶ歯科医院  山口 宜伸先生

長期間装着した可撤式義歯により咬合高径の低下や前歯部の審美的改善を主訴に来院した患者に対し、フルマウスリコンストラクションを行なった症例を発表された。

旧義歯を参考に咬合高径を挙上しWax upを行い、デジタルを用いて旧義歯と粘膜の関係を確認した上で正確に診断をされた。バーティカルサポートにインプラントを用い、歯周形成外科ではCTGCLPを行うなど治療を行うレベルが非常に高く感じられた。

ディスカッションでは残存歯の予知性や、抜歯を見据えた将来的な補綴設計について議論が交わされた。様々な治療オプションを駆使し治療をされた症例であった。

一般講演3

 「デジタル技術を利用した

                         インプラントボーンアンカードブリッジの 1症例」

 ながら歯科医院  阿部 公成先生

最後の発表者の阿部先生は名古屋SJCD所属であり、広島での合同例会においても名古屋支部代表として症例を発表されており会場も盛り上がりを見せていた。今回の症例もデジタルソリューションを活用したフルマウスリコンストラクションのケースであった。特筆すべき点としては、フルデジタルでの治療を行なった点である。術前の診断からCTとフェイススキャン、IOSのデータをスーパーインポーズしデジタルワックスアップを行い最終的なゴールを決めていた。ディスカッションにおいては、残存歯を全て抜歯をし、インプラントにする際の基準についても活発な議論が行われた。非常に近未来的な症例を供覧された。

今回のステップアップミーティングは技工士を交えたディスカッションや義歯のケース、フルデジタルの症例と非常に勉強になる会であり有意義であった。今後も技工士との意思伝達の方法はデジタルを介しながらも、アナログでの情報も使い適切にコミュニケーションをとる必要性があると考えられる。

最後に中村茂人先生から今後の予定など締めのご挨拶を頂いた。この日は現地での参加者は45名、オンラインでも93名の会員に視聴し、さらに多くの技工士も参加されたことから歯科医師とのラボコミュニケーションにも注目があったと感じられた。東京支部 第1回ステップアップミーティングは大盛況で幕を閉じた。

文責:日本臨床歯科学会東京支部広報委員会

   堀切雅文  滝沢卓也 


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