【開催報告】2024年度 日本臨床歯科学会 東京支部 テクニシャンミーティング
日本臨床歯科学会 東京支部 テクニシャンミーティング
日時 2024年10月6日(日)10:00〜16:45
場所 御茶ノ水ソラシティ カンファレンスセンターRoom B
形式:現地開催
2024年10月6日(日)、日本臨床歯科学会テクニシャンミーティングが御茶ノ水ソラシティカンファレンスセンターにて開催された。今回は現地開催のみで行われ、会場は満席となり盛況であった。祖父江学先生による司会の下、はじめに理事の瀬戸延泰先生に開催の挨拶を頂戴しスタートした。今回は事前アンケートを基にモダンデンタルテクノロジーをテーマに4名の演者にご講演いただいた。
講演1
上林健 先生(ナチュラルセラミック)
「イリュージョン効果による審美修復」
(座長:土屋覚 先生)
前歯の歯冠幅径に左右で顕著な差がある症例など、配列面での難症例への対処法として明度対比、縁辺対比、膨張、収縮効果などの包括的目の錯覚を利用した補綴装置製作基準について講演いただいた。特に最後に提示されたクラウンの厚みが0.5mmしかとれない条件の症例ではライトレヤリング法で対応したものを供覧していただき臨床における有効性について発表していただいた。今回のようなクラウンの厚みに関して条件が限られる場合などにおいては特にチェアサイドとラボサイドの共通認識と十分な連携が必要不可欠であるという内容であった。
講演2
高橋健 先生(Dental Laboratory Smile Exchange)
「Virtual Articulator の基本操作と臨床応用」
(座長:中村悠介 先生)
Virtual Articulatorでのフェイスボウトランスファー、基本操作(コツと考え方)、臨床活用へのヒント、の3つのテーマに沿って実際に上顎前歯部の症例を交えながらデジタル設計の利点欠点についてご講演いただいた。昨今は歯科技工におけるデジタル化のワークフローの変遷とともに補綴装置の設計のステップアップが従来のワックスアップからCAD Designへの移行期であり、Virtual Articulatorへの理解と慣れが今後必要となるという観点からもとても有益な講演であった。
講演3
中村悠介 先生(Dental Lab Benefit Technology)
「サージカルガイド製作を行う利点とラボサイドワークの工程と要点」
(座長:高橋健 先生)
中村先生がサージカルガイド製作において実際に使用しているフリーソフトウェアを提示していただき、そのメリットデメリットを含めサージカルガイド製作までの工程や要点についてご紹介いただいた。サージカルガイド製作には専用のソフトウェアが必要になり、その使用感やコスト面に考慮する必要があるが、今回ご紹介いただいたソフトウェアはフリーソフトとは思えないような充実した内容のものであり、実際にこれからサージカルガイド製作を検討している歯科医院やラボにとってはとても有益な講演であった。
講演4
土屋 覚 先生(DENT CRAFT Studio)
「AIRWAY DENTISTRY and MTAP」
前半は2人の先生(阿部倫一郎先生:青森県開業、西高広先生:大阪府開業)と登壇し、ノンプレップベニアと題して以前発表されたMTAPケースの経過報告を行っていただいた。後半はAirway Dentistryについてレビューし、こちらも臨床例を提示していただきながら無呼吸症候群の全身へのリスクと治療後の経過についてご講演いただいた。咬合再構成を行っていく上で気道の状態も評価することは近年トレンドになっており、改めて必要なことであると再認識される内容であった。
最後に閉会の挨拶として、担当理事である河田裕夫先生にご挨拶を頂戴し、2024年度日本臨床歯科学会東京支部テクニシャンミーティングは盛会にて幕を閉じた。
協賛:
NPO法人日本歯科医療評価機構
株式会社フォレスト・ワン
株式会社茂久田商会
株式会社ジーシー
株式会社スマートプラクティスジャパン
平素より賛助のご協力ありがとうございます。
出席者:70名
主催:テクニシャンミーティング委員会
文責:澤井裕貴、高島浩二