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2010年9月2日に猛暑の中、六本木の国際文化会館にて、2010年第1回ステップアップミーティングが盛況に行われましたので、ご報告致します。
相談ケース1つ、演題3つの症例が発表された。

 
左から、長尾先生、浦東先生、林先生、関先生
 

相談ケース:林 健一郎先生(林歯科医院)
矯正を取り入れ、臼歯部欠損、アンテリアガイダンス、咬合平面の是正が必要なケース。ゴールを定めることの重要性が指摘された。

 

審美補綴を成功に導くための診査診断:浦東 直利先生
上顎左右中切歯の審美障害を主訴とする患者に対して、オールセラミック・クラウンによる審美性の回復を行った症例を提示し、審美修復に対する診査・診断の重要性を強調する発表をされた。修復にあたっては、顔貌診査から歯肉、歯牙単位の診査までステップを踏んで行われ、Biologic widthなど補綴物周囲の環境も考慮した治療計画を立案して治療にあたっており、演者の熱心な治療が伝わるものであった。
発表後のディスカッションは、Crown Lengthening Procedure の手技や術前の診査、考え方について会場の先生方からの質問、アドバイスなどで盛り上がり、演者、出席者にとって非常に有意義なものとなった。 「審美修復治療」が日常臨床で“当たり前”の治療になった今日、その“当たり前”を軽く考えてはならず、患者の希望という背景とそれに対する治療の難しさや精微さを考えた上で治療を進めなければならない。よって、今回の発表のような審美修復に対する診査診断も日常で“当たり前”でなければならず、且つそれがより綿密、正確なものでなければならない。今回の発表は、それらを再認識する機会として非常に良いものであった。

ステップアップミーティング委員 西山 英史
 

フルマウスリコントトラクションを行った一症例:関 喜英先生
遠方熊本からご参加頂き、先生がこの患者様へ注がれた4年間の想いが聞いてい るこちらサイドにも伝わってくるすばらしい症例でした。
レギュラーコース受講者ということもあり、術前診査の資料もきちんと揃え精査 しておりました。糖尿病患者様であり、食事療法でコントロールしているとのことで、経過観察が重要と思われました。今後全身疾患の病態が、診査・診断に組み込まれ、治療計画を立案するのに必要な項目の一つだと感じました。
インプラントを用いた初めてのフルマウス症例ということもあり、オクルージョンをつくるにあたり義歯を用いて咬合の安定を計った後にインプラント埋入へ移行していたが、インプラントをアンカーとしてCRポジションをつくっていった方が、治療期間も短く、術者も患者様もハッピーだったのではないでしょうか。
患者様都合で来院できなかった期間も含め4年間という長期症例であったが、ステップをきちんと踏みゴールしており、術者、患者様ともに満足する結果が得られたようです。術後の考察もされており、今回の症例を通じて今後の臨床に生かせる結果がでたと思われました。

ステップアップミーティング委員 小島将司
 

包括的歯科治療における矯正の役割:長尾 周格先生
冒頭に歯科治療において大切なことは診査・診断であり、それは個々の歯や歯列だけでなく、口元、顔貌単位での診査・診断と確認されていた。このことは、山崎先生の著書
「審美修復治療」にも記述がある様にSJCDが一番大切にしている部分である。
1ケース目は60代女性の前歯部審美障害のケース、上下顎前突でドリコ傾向の難しい症例との診断であった。2年9カ月の矯正治療の期間がかかり、術前の歯周病治療は切除療法のみで対応し、矯正治療後には再発がみられたそうである。今後、再度歯周病の外科を行うそうだが、残念ながらデンタルX線の提示がなく歯周病については評価のしようがなかった。2ケース目は20代女性の前歯部審美障害のケースであった。小臼歯抜歯で舌側矯正の治療計画を立てていた。治療初期の段階でプレゼンテーションは終了した。3ケース目は一転、先生の力説されていた一頭蓋顎顔面の診査・診断の提示はなく、37番歯のアップライトと、空いたスペースにインプラントを埋入したケースであった。
プレゼン後のディスカッションでは、まず演題とプレゼンの内容が全く伴っていない事が指摘されていた。また本ミーティングは症例検討会であり、会場の先生が症例の概要を理解しやすいように準備し、謙虚な姿勢で行うべきであると指摘があった。

ステップアップミーティング委員 加部聡一
 

今回は、9月とはいえ、猛暑の中、たくさんの先生方にご参加して頂き、ありがとうございました。

今回、ご都合が付かなかった会員の先生方も、次回の2011年2月3日のステップアップミーティングにご参加頂ければ幸いです。

 
第二回ステップアップミーティングの様子はこちら
東京都渋谷区渋谷2-1-12東京セントラル宮益坂上4F
TEL/FAX:03-3400-3482