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2012年6月17日に、ホテルフロラシオン青山にて第1回ステップアップミーティングが開催されたので、ご報告いたします。

 
 

SJCDフローチャートに沿って行った上顎前歯部補綴症例:伊藤努先生

SJCDフローチャートの目的は診査・診断・治療計画・実際の治療を再評価を繰り返しつつ患者にとって最も妥当なものへと導いていくための道標と言われている。また、術者にとっては共通言語を得ることにより、他のドクター・ハイジニスト・テクニシャンと容易にディスカッションができ治療計画の不備や修正を行うことができる。演者の伊藤先生はその基本にのっとり、患者の主訴の前歯部だけでなく全顎的な診査から現状の咬合状態を維持することを決定し、治療計画を立案していた。
実際の治療では、審美的基準より前歯の位置的なバランス、形態のバランスを顔貌、診断用ワックスアップにより分析していた。導き出された歯冠外形をプロビジョナルレストレーションで再評価しつつ、欠損部の不足している顎堤には結合組織移植をおこなっていた。
現在は患者の都合により治療中断中で最終補綴物は未装着であった。質疑応答では結合組織移植後の最終補綴への移行時期や、外科の手法、切開線等のディスカッションが行われ勉強になった。ぜひ補綴終了後も症例をご提示頂ければ幸いである。

ステップアップミーティング委員 加部聡一

 

Sequential treatment planning for conventional restorative patient:中野忠彦先生

SJCDコンセプトを元に基礎資料の収集から包括的な治療を1つの症例を通して発表された。
患者の主訴は、臼歯部に装着された補綴物の咀嚼障害と前歯部の審美障害であった。
診査・診断により「Vertical stop」「Anterior guidance 」「Stability of Neuremuscular system」などの問題点を挙げ、咬合位を挙上して治療することを話し、治療計画を細かく解りやすく話をした。
また、ゴールデンプロポーションを基準にして、前歯部のワックスアップから、プロビジョナルレストレーション、最終補綴物のデザインまでをエビデンスを含めて話し、下顎前歯部にはボンデットレストレーション上顎前歯部には、オールセラミッククラウンとなった。
問題がないか3ヶ月ほど経過観察をし、咬合や筋肉などに問題がないのを確認した上で最終補綴の装着をし、1年後の経過に関しても問題がないことで話を締めていた。
患者やデンタルハイジーン、デンタルテクニシャンとのコミュニケーションも良好であり、良い治療に結びついたのではないだろうか。今後は、下顎前歯部の耐久性やそれに伴う臼歯部の咬合状態の経過観察を充分注意して行く必要があると感じた。
質疑応答では、主訴の1つである臼歯部の咀嚼障害に関して欠損部にインプラントをして咬合をまず与えてみるのも良いのではないかと質問があり、大変勉強になった。

ステップアップミーティング委員 井上宏一

 

SJCDフローチャートに基づいてインプラント治療を行っている1症例:梶山崇先生

梶山崇先生により「SJCDフローチャートに基づいてインプラント治療を行っている1例」と題されて発表された。表題の通り基礎資料収集に始まりプロブレムリストの作成、治療計画等を経て治療を行っていた症例となる。患者は長期にわたる欠損により咬合にも問題がある難しい症例であった。マイクロスコープにフォーカスを絞った発表となっていたがインプラント周囲へのマイクロスコープを使ったプラスチックペリオサージェリーを積極的に応用し最小の侵襲で治療を行っていた事は非常に評価できるポイントであろう。まだ治療途中ではあるが基礎治療、特に修復処置並びに歯内療法においてもマイクロスコープを使い確実かつ正確な治療がなされていたのも特筆すべき所である。矯正処置にインプラントも絡む症例であったが質疑応答の時間ではインプラント埋入の時期や矯正治療について会場から活発な意見が取り交わされ時間が足りなくなってしまった程の盛り上がりであった。様々な意見が寄せられ今回の発表は演者本人にとっても非常に勉強になったプレゼンであったと思う。

ステップアップミーティング委員 栗原一雄
 

「審美領域のインプラント治療においてプラスティックサージェリーを行った一症例」:河合竜志先生

今回、上顎犬歯部において、シングルスタンドインプラントの埋入に伴いプラスティックサージェリーを併用した症例について報告があった。演者は、SJCDフローチャートにのっとり、全顎的な診査・診断・治療計画を確実に行なっていたが、患者との協議により主訴の犬歯部のみの治療となっていた。今回の症例において、議題となったのは、1、上顎犬歯欠損部にインターナルナローインプラントを用い、単独歯インプラントによる展開角の大きい犬歯ガイドを与えていたこと、2、インプラントサイトの同一部位においての複数回におけるプラスティックサージェリーの是非・その術式の必要性、などであった。
その他会場からは、患者の主訴の前歯部だけでなく全顎的な治療が必要だという多くの声が聞こえた。
演者のマイクロスコープを使用したプラスティックサージエリーの手技には称賛の声があがっていた。

今後の術後経過を是非見てみたいと思う症例であった。 
ステップアップミーティング委員 林丈裕
 

多くの先生方にご参加して頂き、ありがとうございました。
今回、ご都合が付かなかった会員の先生方も、次回、平成23年3月20日の第2回ステップアップミーティングにご参加頂ければ幸いです。

 
 
前回ステップアップミーティングの様子はこちら
東京都渋谷区渋谷2-1-12東京セントラル宮益坂上4F
TEL/FAX:03-3400-3482