SJCDフローチャートに沿って行った上顎前歯部補綴症例:伊藤努先生
SJCDフローチャートの目的は診査・診断・治療計画・実際の治療を再評価を繰り返しつつ患者にとって最も妥当なものへと導いていくための道標と言われている。また、術者にとっては共通言語を得ることにより、他のドクター・ハイジニスト・テクニシャンと容易にディスカッションができ治療計画の不備や修正を行うことができる。演者の伊藤先生はその基本にのっとり、患者の主訴の前歯部だけでなく全顎的な診査から現状の咬合状態を維持することを決定し、治療計画を立案していた。
実際の治療では、審美的基準より前歯の位置的なバランス、形態のバランスを顔貌、診断用ワックスアップにより分析していた。導き出された歯冠外形をプロビジョナルレストレーションで再評価しつつ、欠損部の不足している顎堤には結合組織移植をおこなっていた。
現在は患者の都合により治療中断中で最終補綴物は未装着であった。質疑応答では結合組織移植後の最終補綴への移行時期や、外科の手法、切開線等のディスカッションが行われ勉強になった。ぜひ補綴終了後も症例をご提示頂ければ幸いである。 |