「The Challenge to The treatment of Complex restorative Patients」 ニュータウン中央歯科室 岸上拓央先生
今回、岸上先生はすでにインプラントが植立されている患者さんへの咬合再構成を発表された。
ブローネマルクによるオッセオインテグレーション現象の発見、1965年に臨床の現場で実際に応用されて以来、歯科用インプラント治療は器材、術式において飛躍的な進歩を続けている。
それは適応症の拡大につながり、歯の欠損補綴を必要とする患者さんに福音をもたらし、身近な存在となっている。実際、初診の時点ですでにインプラントが局所応用されているというケースが増えているのではないだろうか。
適正な環境にあるものは維持に努めれば良いのだが、全顎的な咬合再構成を必要とする場合はどうであろう。
診査・診断から導き出された補綴設計が既存のインプラントのポジションとマッチするのか、メーカーが用意しているオプションの種類、感染の有無、患者さんの年齢が再治療に耐えうるのか、かつてその治療にどれだけの時間と費用をかけたのか等々、検討項目は山積する。
咬合の保持に役立つはずのインプラントが免疫機構を持たない、動かない(矯正できない)という点で治療の障壁となるというのはなんとも悲しい話であるが…
それゆえ唯一つの答えが無いという難しさがあり、岸上先生が提示した結果も一案であるし、会場からも、撤去再植立、一部のインプラントのスリープ、可撤性補綴へのコンポーネントチェンジ、様々なアイデアが議論された。
今後もこのような症例発表が増えることが予想される。是非、岸上先生には今回のケースの経過と検証をご報告いただけたら幸いである。
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