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2016年9月19日(日)御茶ノ水ソラシティにて第1回ステップアップミーティングが開催されたので、ご報告致します。

 
2016年第1回ステップアップミーティング委員(御茶ノ水ソラシティ)
 

「Angle classⅡ咬合崩壊患者をインプラントを用いた修復治療で回復させた症例」
さだきデンタルクリニック 坂本貞樹先生

坂本先生のご発表は、Angle classⅡで、咬合高径の低下を認めた患者にたいして、インプラントと補綴によって咬合再構成を行った症例の発表でした。矯正を受け入れてもらえない制限のある中で、解剖学的、総義歯学的な基準値を用いて中切歯の位置、犬歯関係、咬合平面、咬合高径に対する治療予測をたて、プロビジョナルレストレーションによる再評価の後に最終補綴に移行されていました。犬歯関係はブレーシングイコライザーとしての役割も考慮し、舌面形態を工夫されているのが印象的でした。非常に難しい症例をステップごとに考察されてとても素晴らしい内容で、会場内からやパネリストからも沢山のディスカッションがなされ、非常に勉強させていただいた症例でありました。

例会ステップアップミーティング委員 中村茂人
 

「The Challenge to The treatment of Complex restorative Patients」
ニュータウン中央歯科室 岸上拓央先生

今回、岸上先生はすでにインプラントが植立されている患者さんへの咬合再構成を発表された。
ブローネマルクによるオッセオインテグレーション現象の発見、1965年に臨床の現場で実際に応用されて以来、歯科用インプラント治療は器材、術式において飛躍的な進歩を続けている。
それは適応症の拡大につながり、歯の欠損補綴を必要とする患者さんに福音をもたらし、身近な存在となっている。実際、初診の時点ですでにインプラントが局所応用されているというケースが増えているのではないだろうか。
適正な環境にあるものは維持に努めれば良いのだが、全顎的な咬合再構成を必要とする場合はどうであろう。
診査・診断から導き出された補綴設計が既存のインプラントのポジションとマッチするのか、メーカーが用意しているオプションの種類、感染の有無、患者さんの年齢が再治療に耐えうるのか、かつてその治療にどれだけの時間と費用をかけたのか等々、検討項目は山積する。
咬合の保持に役立つはずのインプラントが免疫機構を持たない、動かない(矯正できない)という点で治療の障壁となるというのはなんとも悲しい話であるが…
それゆえ唯一つの答えが無いという難しさがあり、岸上先生が提示した結果も一案であるし、会場からも、撤去再植立、一部のインプラントのスリープ、可撤性補綴へのコンポーネントチェンジ、様々なアイデアが議論された。
今後もこのような症例発表が増えることが予想される。是非、岸上先生には今回のケースの経過と検証をご報告いただけたら幸いである。

例会ステップアップミーティング委員 吉田茂治
 

「全身疾患に関連した諸問題を有する患者に対して行った咬合再構成一例」
ワタナベ歯科医院 渡部真麻先生

今回の渡部先生の発表は、シェーグレン症候群等の全身既往歴をもつ患者さんの全顎的治療のケースであった。
渡部先生はSJCDレギュラーコースを受講、現在マスターコースを受講されており、今回の発表もSJCDのフローチャートに沿って資料をしっかりと採得し、丁寧な診断とプランニングをされていた。歯科既往歴への考察や全身既往歴に対する対応等、非常によく考えられており、卒後5年目としては非常にしっかりとした内容であったと思う。
ディスカッションでの諸先生方からのアドバイスも非常に勉強になった。発表時点ではプロビジョナルレストレーションの状態であったが、今回の発表を活かして治療を進めていかれると思うので、是非ファイナルを拝見したいと思う。

例会ステップアップミーティング委員 宇毛玲
 
 
前回ステップアップミーティングの様子はこちら
東京都渋谷区渋谷2-1-12東京セントラル宮益坂上4F
TEL/FAX:03-3400-3482