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2013年3月20日に、株式会社 ヨシダにて第2回ステップアップミーティングが開催されたので、ご報告致します。

 
 

「欠損補綴〜包括的治療、ゴールへのアプローチ」:春日賢司先生

今回ミーティングの一人目として春日賢司先生により「欠損修復〜包括的治療、ゴールへのアプローチ」と題して発表された。現段階では治療途中ではあるが審査診断にポイントをしぼっての発表だった。欠損がある患者に対しSJCDチャートに基づき基礎資料収集を行い、かつセファロを用いて咬合高径を審査、咬合機能の側方運動の審査、咬合器上での咬合平面、各歯牙の審査を丁寧に行っていた。
破折などの予後不良歯の抜歯後、治療方針の決定をし診断用ワックスアップを作製、細かい咬合面の機能、形態まで診断しており現在治療途中との事だった。
衛生士からはカリエスリスクが高そうなのでカリエスリスク検査の必要性の指摘や、歯科医師からはワックスアップの時期について、技工士からワックスアップでの臼歯部の歯軸方向の指摘等その他多くの意見や指導があり非常に盛り上がった。まだ治療途中ではあったが非常に良く観察をしており現段階では良くまとまっていると思う。

ステップアップミーティング委員 栗原一雄

 

「インプラントアバットメントを再考する」:鈴木和之先生

インプラント治療を成功に導くには、アバットメントのマテリアルよりデザインである。
という考えのもとテクニシャンサイドからの考察であった。
Intimate contactという粘膜に強めに圧接した部分はプラークの侵入が少ないというオベイトポンティックからきた考えをアバットメントにも応用し、インプラント周囲組織の長期的な安定を図った。
そのために重要なことは、インプラント周囲に水平的に垂直的に骨、軟組織が多いことである。
しかし、今回の症例では、上顎右側犬歯部唇側には組織のボリュームが少ないが、喫煙者ということで、GBRやCTGを行うことが出来ないというものであった。
そのアバットメントと上部構造にレスカウンターを与え、見事術後3年でクリーピングしてきたところは、良く考えられた補綴物であるという印象を受けた。
質疑応答で、テクニシャンサイドで模型上ではどのような考察をしたのかを知りたい、また初めにプロビジョナルを作るときにどのように考えて作ったかを知りたい。という話がでた。その時の写真があればもっと掘り下げた議論が出来たように思える。
最後にテクニシャンサイドとしても予後というのは見ておきたいので、治療後の経過の写真を撮ってほしい、というのはDr.Dt.双方のスキルアップには不可欠であると再認識させられた。

ステップアップミーティング委員 宇毛玲

 

「すれ違い咬合のフルマウスリコンストラクション」:富施博介先生

前年度のステップアップミーティングにおいて治療途中までのケースであったものをファイナルレストレーションまで仕上げての発表であった。患者はすれ違い咬合をきたしており、咬合平面のズレ、不安定な顎位なども見られとても難しいケースでありました。SJCDのトリートメントフローチャートに沿って診査診断、再評価を何度も繰り返し治療を進めていた。
インプラントやCTGなどの外科処置は専門の先生に依頼するなどチームアプローチも行われていた。会場からは治療の順番に対しての疑問質問があげられた。難しく治療期間もかかるケースであったと思われるが、患者とのラポールがしっかりとれており最後まで綺麗に仕上げられていた。

ステップアップミーティング委員 李昌弘
 

「酸蝕症による咬合崩壊に対する審美補綴治療」:佐藤博宣先生

酸蝕症が原因で広範囲のエナメル質を喪失した場合、歯牙、歯周組織、顎関節、筋肉等に様々な変化が生じる可能性があり、審美、機能の回復には考慮すべき点が多い。
今回、佐藤先生は広範囲な酸蝕症の治療にあたり、SJCDチャートに則った診査はもちろん、水平、垂直的顎位、顔貌からの審美的な診査も綿密に行い、再評価を繰り返しながら丁寧に治療をすすめられていた。難しい補綴にもかかわらず、素晴らしい結果を出されていたのは優秀な技工士との緊密なディスカッションがあってのものだろうと推測できた。初診と、最終補綴後の顔貌の変化には会場からも称賛の声があがっていた。
質疑応答では、歯周外科手術用のガイドについて、ワックスリムの取り扱い、クロスマウントの検討など、いずれも臨床に直結した内容で頭の中を整理できた。ぜひ今後のメンテナンス、長期経過を見せていただきたいと感じた。

ステップアップミーティング委員 加部聡一
 

多くの先生方にご参加して頂き、ありがとうございました。

 
 
前回ステップアップミーティングの様子はこちら
東京都渋谷区渋谷2-1-12東京セントラル宮益坂上4F
TEL/FAX:03-3400-3482